なぜ中古住宅市場が日本ではワークしないか

Published at: 2023/10/15


という記事を quora で見かけたので読んでみた。

日本って人口減ってるはずなのに、なんで家ばっかりぼこぼこ建ってるんですか?本当は人口増えてるんですか?に対するゆうげん ふじ代表さんの回答 - Quora

ゆうげん ふじ代表さんの回答: 逆に考えてみましょう。「なんで他の先進国は新築がポコポコ立たないで中古住宅を買う人が居るのか?」です。 「日本人は新築が好きだから」という理由が必ず出ますが、じゃあ諸外国の人が新築が嫌いなのかといえばそんなことはありません。「できれば新築が欲しい」と思うのはみな同じ、でも日本で中古住宅が売れないで空き家になり、諸外国ではそれなりに売れて流通するには理由があるはずです。 そしてその理由は「税制が違うから」です。 他の方が図を示してくれてますが、日本の木造家屋の法定耐用年数は22年です。これは会計処理の時に「毎年価値が目減りしていって、22年経つと帳簿上...

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曰く、

  1. 法定耐用年数が定まっていて、それが 0 になると税務上の資産価値が 0 になり、ゆえに中古市場では買いたたかれる
  2. (ちょっとした)修繕をしたとしても、それは修繕費として扱われ資産計上されない。結果、譲渡の際の取得額に反映できない(資産として計上できない)

総じて、税制として、建物は消費(減価償却)されるものである、という前提に税制が設計されているため、中古で買うよりも新築で買ってしまった方が、いろいろ分かりやすく、また、結果的にお得になりやすい、とのこと。 なので、中古で空家がたくさんあるにも関わらず、相も変わらず新築住宅を建ててはそれを買う、という形に落ち着きがち。

実際の税務まわりを追加調査

法定耐用年数が過ぎた物件等を購入した場合には、元々の法定耐用年数の20%の期間で減価償却をしていくことになる模様。 自分で住むことを考えると、これはそこの家に住む費用が1年間でそれだけかけて住んでいる、ということに、税務上はなる。

減価償却のある資産の耐用年数が終わったらどうなる?残存簿価や所有するデメリットについて解説

gro-bels.co.jp

一応、例えばリフォームであれば、改良費として取得費に含めることができる模様。 ただし、その(リフォーム)部分については、購入とは別計算で減価償却を適用していく模様。

リフォームした場合の譲渡所得について 【不動産・税金相談室】 | 東京メトロポリタン税理士法人

東京都新宿区の税理士事務所、東京メトロポリタン税理士法人の リフォームした場合の譲渡所得について 【不動産・税金相談室】 のページです。

www.tm-tax.com

より法律的には、設備費ないし改良費として計上可能であれば、取得費(ただし、減価償却はする)に反映できる模様。

【確定申告書等作成コーナー】-取得費となるもの

www.keisan.nta.go.jp

不動産売却時の税金計算でリフォーム代金は含めていいの? - リビンマッチコラム

リフォーム済みの不動産は売却時に反響が増えるというメリットもありますが、リフォーム代金は確定申告時の税金計算に含められるのでしょうか。

www.lvnmatch.jp

まとめると

  • 税務上は、建物は消費するものである前提で設計されていて、消費しきった後に売却すると、譲渡所得が発生していく。
    • ただし居住用住宅の3000万控除があるので、一般人にはそこまで関係はないかもしれない。
  • 税金を抑えることを考えると、素直に新築を買ってしまった方が良い、という判断になりがち。

Tags: 不動産